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by le-moraliste
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懲りずに、また将棋の話。

王将戦第四局の大盤解説会にまた足を運んだ。途中まで(仕事場で)ネット観戦してから、夕方、ひとり千駄ヶ谷の東京将棋会館へ。

羽生王将に佐藤棋聖が挑戦する本局は羽生2勝、佐藤1勝で迎え、各棋戦で挑戦者の資格を獲得するもののなかなかタイトル獲得には至らない佐藤棋聖にとっては、流れを変えるために是が非でも落とせない対局。さて、どうなるものだろう。

解説会の開始時刻からは少々遅れたが会館に到着すると、同じく会館に入ろうとする女子高生らしき女の子がふたり。なんでここに女子高生が、と訝しく思ったがそのまま会館に入れば、石橋女流と遭遇。そういえば、今日は飛躍著しい里見女流との対局だったけか、結果はどうなったろうと気になりつつも解説会の開場に。

今日は上野四段と鈴木環那女流による解説。以前、このおふた方が解説会を行なったところ評判がよかったため今回ふたたびこの組み合わせということで、結構愉しみにしていた。場は相変わらず年配の方が多く、およそ50名ほどの参加者がすでに解説に聞き入っていた。

と、そこに私よりさらに若いお客がやってくる。先ほど玄関で出会った女子高生ふたり。珍しい趣味だなと一層訝しく思ってよくよく彼女たちの顔を見てみれば、なんと、ひとりは新女流棋士の伊奈川愛菓嬢ではあるまいか。もうひとりは見覚えがないのでたぶん彼女の友人だろう。棋士はふつう、棋士控え室で検討をするものだと思っていたので意外であった。友人が一緒だから、解説会のほうに来たのかもしれない。

さて、解説会のほうだけれど、なるほど、たしかにふたりの掛け合いがなかなか面白い。環那女流の場を盛り上げようというひとつひとつの気配りが愉しく、上野四段のわかりやすい解説も(とりわけ素人の)私にはとてもありがたかった。常連が多いのだろう、お客さんとのやりとりも活発で終始なごやかな雰囲気のなかで解説会は進んでいった。途中、上野"初段"を聞き手に環那"四段"が解説するという企画もあり、環那嬢の緊張と人一倍の努力姿(そして上野氏のわからない"ふり")がなんとも云えない温か味を漂わせる。やはり、解説会はいいですなぁ。

将棋のほうは羽生王将の巧みな駒捌き(という云い方であってるのだろうか)で、一気呵成に佐藤棋聖を投了に追い込んだ。はぁ、と溜め息はできるほどの強さ。怖ろしい。途中で、勝又五段(会館でいつも見かけます)と三浦八段がゲストで登場し場がますます活況を呈するなか、無事、解説会は終了。

環那嬢は休憩時間や解説会終了後にひとりひとりのお客さんに笑顔で挨拶をしてくれてほんと恐縮するほどでありました。その前日に女流名人位戦の予選で勝利をおさめ、あと一勝すればB級リーグ入りするので是非とも頑張っていただきたい。

上野四段は、前回のC級2組順位戦でも見事快勝し、昇級へあと一歩のところまで来ているので、最終戦を期待しております。各級順位戦も佳境に入っているので、まだまだ将棋界から目が離せない。

     *               *              *

先週は映画も一本観てきた。ソフィア・コッポラ監督作品の『マリー・アントワネット』。フランシス・コッポラの娘ですね、確か。で、映画自体は・・・・・・。

私が観た映画のなかで、『キング・アーサー』に次ぐ、つまらなさ。最初から何のドラマも起きず、印象的なシーンは皆無で、最後に処刑台へ運ばれるシーンにどんな趣向を凝らすか期待していたら驚くほど何にもなし。何を描きたかったのかがさっぱりわからない、駄作。ソフィアには『ロスト・イン・トランスレーション』という監督作品があり、そちらは結構評判がよさそうなのだが、はたしてどうだろう。いやむしろ、『マリー』の悪夢を打ち消すために、『ロスト』をこそ観てみたくなった。
# by le-moraliste | 2007-02-12 14:23 | メモ
A級順位戦――将棋界最高の名誉と誉れ高き名人位の挑戦者を争うこのリーグ戦は、ファンであればけして見逃せない対局。将棋を全く指さない私ではあるが、将棋界のファンであることについては人後に落ちないつもりであるからして、今年も佳境に入った順位戦から目が離せない。

過日、そのA級順位戦の8回戦が一斉に行なわれた。森内名人の挑戦者は一体誰になるのかが早くも決まりそうな状況で迎えたこの日、私は、仕事を休んでまで、東京将棋会館で行なわれる順位戦大盤解説会に参加してしまった。将棋の解説会に行くなんて初めてだったのだが。

昼過ぎに会館で整理券を受け取ってから一旦周辺をぶらついて、午後6時の開場に合わせて入場することに。初めて訪れた東京将棋会館の意外な狭さに驚きを隠せない。一般客が入ることのできるスペースとしては、1階と2階に売店と道場(及び研修室)しかなく、ここが日本の将棋の元締めだとはにわかに信じがたい。

解説会には渡辺竜王と屋敷九段が登場するけれども、運がよければもっと多くのプロ棋士を目撃できるかもしれないと期待していたら、午後会館に着いた早々、森内名人と島八段に遭遇。意表をつく名人の身体の大きさと、同じく意表をついた島八段の身体の小ささに言葉もでない。さらに、顔は見た覚えがあるなぁと動き回る姿を見て名前は思い出せなかったが帰宅後に確認したらその人は勝又五段であった。

2階の研修室ではすでに指導対局が行なわれており、いきなり渡辺竜王の姿が目に入った。あの若さですでに風格あり。他に安食女流と北尾女流も指導対局をしていた。残念ながら島井女流は体調不良のため、本日の指導対局をお休み。プロ棋士と将棋を指すことのできる指導対局のサービス度に改めて驚く。実は結構すごいことではないのか。

午後7時になって、いよいよ渡辺竜王と屋敷九段の解説会が開始。将棋がわからない私でも愉しめる、わかりやすくも高度な内容で、次々とそれぞれの対局内容を片付けていく。順位戦は通常、夜中1時くらいに対局が終わるため、まだまだこの時間では駒の進みが遅い。もちろん、今日は終局までここに居座るつもりである。

途中、休憩を何度かはさみつつ、解説会は滞りなく進んでいく。本日の眼目は、郷田九段と阿部八段、谷川九段と羽生三冠のそれぞれの対局。どちらも関西将棋会館での対局であったため、こちらはさほどの慌しさを感じさせない。おそらく、関西のほうではメディアの人とかが結構いたりするのだろう。けれど、解説会に参加する人たちの盛り上がりはここでも熱く感じられる。参加者はほとんど年配の人たちなのだが。

解説会には途中、ゲストとして何人かの棋士が訪れた。順不同だけど思い出せる限りでは、遠山四段、上野四段、佐藤天彦四段、千葉五段。たぶんこれで全部だと思う。アマヒコ四段の解説を聞くことができたのが予想外の収穫。ついに四段昇段を果たしたアマヒコ氏にこれからも期待している。

後で確認したところでは、東京将棋会館の棋士控室ではあの先崎八段(らしき姿)や千葉女流らも検討に参加していたようだ。先ちゃんには少しでも会いたかったと悔やまれる。対局終了後に対局者が解説会にひょっこり登場してくれるかもと期待もしていたが、それはなかった。

順位戦のほうは、郷田九段が勝ち、谷川九段が負けたので、早くも名人挑戦者が決定した。郷田九段がはたして森内名人にどう立ち向かうのか注目である。

解説会については、やはり渡辺竜王の解説が面白かった。話もなかなか上手い。屋敷九段は控えめに、竜王をたてているような姿勢であった。人柄がよさそうだ。手順の速い進行についていけないこと多々あったけれど、素人でも愉しめる、見所豊富な解説会であった。

最後の対局が終わったのが午前1時半頃。それに合わせて、解説会も終了。帰宅は午前2時半であった。
# by le-moraliste | 2007-02-04 07:00 | メモ
仕事帰りに寄ったコンビニでいつものように雑誌の棚を右から左へざっと目をやると、一面ピンクのどぎつい雑誌に視線がとまる。よく見れば『週刊文春』の最新号(2月1日号)で、(忘れていたけど)今日が発売日のはずなのに、もう残り一冊しかなかった。

昨日か一昨日にネットのニュースで読んだけれど、文教堂が集計した週刊誌の販売数ランキングでは『週刊少年ジャンプ』に次いで2位の部数を稼ぎだした『週刊文春』(『週刊新潮』は4位。これもすごいが)。書店での販売数なので売れ行きにはある種の傾向はあるだろうけど、確かに文春はずっと読んでいて面白い雑誌である(文春歴10年。その前に『週刊朝日』歴1年)。その面白さを伝えるためには――。

コンビニを出てから早速飯屋でページをめくりはじめる。普段は先崎学プロ棋士のエッセイ→渡辺敏史「カーナベ」→坪内祐三「文庫本を狙え!」と直線的に読むのだが今日は違った。なんとなく冒頭のグラビアページをパラパラ眺めていったら、目に飛び込んできたのが「角川春樹」の姿。木刀を手に持ち、畳の上で正座する和服姿の角川春樹。久しぶりに見たそのシルエットは、威厳というものではなく、少し痩せたような、意外な薄さを感じさせたが、よくよく顔をじっくり見てみれば迫力もなきにしはあらず。

それより、本文がすごい。思わずのけぞって、ひとりで笑ってしまったぐらいだった。可笑しいから笑うのではなく、この人の尋常じゃない生命力とでも云おうか、余人にはその背中すら見えないだろう恐るべき意志をまざまざと見せつけられたから。
近頃、自分の体力の限界が見えないんだ。朝は九階にあるこの部屋まで階段を三十五往復して、腕立て伏せを百回。その後、バルコニーで木刀を五千回振っている。仕事がなければいつまでだって続けていられる。
アスリートでも格闘家でもない文人なのに。でも文人であるからこそ、「そこ(畳)に正座し、三十分ほど祝詞をあげるのが日課」(地の文)というのが、らしい。でも祝詞って。さらに、脳細胞が覚醒云々という話が続くのだが、その結果、このような境地に立ったらしいのだ。
このままいくとおれは、人間の領域を超えるんじゃないかな。
既に超えているのでは、と思うのが普通だが、今の自分がまだ通過点にしかすぎないらしいことが角川春樹の言葉から伺えるので、きっと、もっとすごい意志を持つまでに至るのだろう。是非、そのときの、春樹の言葉が聞きたい。
# by le-moraliste | 2007-01-25 23:32 | 雑誌
仕事帰りに馴染みの古本屋に寄った。普通の、マンガが半分を占める、とりたてて安くはない古本屋なのだけれど、店内に入ると必ず古本を買ってしまう。特別欲しい本というわけでもないのに。

昨日購入したのは、保阪正康『昭和天皇』(中央公論新社)で(そう云えば"新"になる前のこの出版社も受けたのが思い出される。面接で蹴飛ばされたが)、定価の半額という割高なお値段。それでも、昭和天皇への関心は近頃とみに高まっているため、迷わずレジに持っていってしまった。

元々は明治天皇と大正天皇にこそ興味をそそられていたが、原武史・保阪正康『対論 昭和天皇』(文春新書)をかつて読んだときに、それまでの私的昭和天皇観を覆すような内容がべらぼうに面白かった。また福田和也も昭和天皇伝を連載中であるし、同じ保阪氏による昭和天皇伝を改めて読みたいと思ったわけである。

帰宅後に早速ページをめくり、時間の関係から長くは読めなかったけれど、つい、プロローグとエピローグをだけ読んでしまった悪い癖。その2章は昭和天皇の崩御前後の話だったのでそうなったとも云えるが、読みながら、子供の頃、テレビが一斉に沈鬱な放送を流していたことを懐かしく思った。当時は新聞なぞ読まなかったから(小学生時代)、初めて知る事実が多く(断片的事実は断片的に知ってはいたものの)、とても感慨深いものになった。昭和の終わりは冷戦の終わりとも重なるわけで、その歴史的意義の大きさを本を読んだだけでも実感する。

昭和の最後を間近で経験した医師団の人々の言葉が強く印象に残った。面倒なので引用しないけれど。
# by le-moraliste | 2007-01-18 21:19 |
背景画像変更、できた。

「イメージアップロード」をしないといけないとは・・・。(参照
役所みたいに融通がきかん。

ちなみにPhotoshopで加工しました。
# by le-moraliste | 2007-01-15 23:50 | 独白