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by le-moraliste
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愛すべき読書

ある種の優れた書物(もしくは絵画でも音楽でもいい。でも、飾られる名画や偏在する音楽では得られない唯一性的体験が潜在的に書物にはある、ような気がする)、その書物の一文一文を読んでいるとき、まるで森の中を彷徨いながら木々の姿を凝視していると森全体の相貌が頭の中に広がってくるかのような、ひとりだけの高揚感を得ることがある。

そんな感情を持ちえる書物、文章は稀ではあるが、だからこそ貴重であり、貴重であるからこそ高ぶる気持ちはいやにも増していく。自分は世界の真実と今まさに繋がったという錯覚、今、世界中でおそらく自分だけが自分だけの真実を見ているだろうという唯一性の体験。これこそ私が読書を愛する最大の理由であり、書物が永遠であることの最大の証明なのではないか。

そんなことを福田和也『近代の拘束、日本の宿命』(文春文庫)を徹夜で読んでいた、朝の7時に考えてしまった。
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by le-moraliste | 2007-06-07 07:17 | 独白