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by le-moraliste
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大崎善生『聖の青春』(講談社文庫)

近くの本屋・古本屋を訪ね歩いてなかなか発見できなかったこの本。ようやく川越で見つけた(たまたま行っただけ)。

村山聖。将棋のプロ棋士であり、棋界最高の名誉・名人位を争う順位戦のA級に所属したまま若くして逝去した怪童。

その人物像は前から方々で多少は窺い知っていたけれど、本書を読んで彼の魅力がようやくわかった。彼自身の文章(これがなかなかいい)が顕著にそれを伝えるのだが、ひと言で云えば、「絶対の意志」。名人になるという意志、将棋に勝つという意志、人生を生き抜くという意志が彼そのものであった。それらの意志こそが、彼のすべてだったのだ。

森信雄という彼の師匠にあたるプロ棋士など、村山の周囲には本当に魅力的な人物が多い。それは、彼らを惹きつける引力が村山にあったことの証左だろう。村山はそれほど、素晴らしい人物だった。幼稚だけれども純粋、病弱であるけれども健康的な精神―それにやられた人々は非常に多かった。

(以下、後日)

今日読んだ文。

①福田和也「美智子皇后 もう一つのルーツ」
②紀田順一郎・御厨貴・坪内祐三「「日記読み達人」が選ぶ三十冊」
                           以上、『文藝春秋』4月号

①は日本の近代化と皇族のささやかな(間接的な)関係を知ることができる好論文。とにかくよく調べているという印象。どこにそんな時間があるのだ?

②は、「相撲」がポイント。つまり、どうでもよさそうなところに、資料的価値、日記の本質があるのだ。
by le-moraliste | 2006-03-25 23:31 |