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岸田夏子と劉生と

今月号(7月号)の『文藝春秋』の「同級生交歓」を読んでいたら、東京芸大付属高校同窓として元NHK・外務省報道官の高島肇久らとともに、岸田夏子という人が出ていた。(実は、『文藝春秋』の「同級生交歓」コーナーが私は結構好きだ。意外な人が意外な人と同級生だったりするのが面白くて、密かに名連載だと思っている。)

彼女は画家を仕事にしているそうで、その名前と職業から想像できるように画家・岸田劉生の子孫だ。書かれた文によれば「岸田劉生画伯の"麗子"の娘」だという。麗子になんで" "がつけてあるのかよくわからなかったので調べてみると(相変わらずウィキペディア)、劉生は娘の麗子の肖像画をよく描いていたらしい(有名なことのようだ…)。その麗子の娘が岸田夏子というわけだ。彼女自身は芸大から芸大院にすすみ、現在画家として活躍している。

でも、なんでわざわざここで取り上げたかと云えば、今読書も佳境に入った福田和也『近代の拘束、日本の宿命』(文春文庫)で最も感動した部分、つまり前回のエントリーで私が唯一性の高揚感を得たところが、岸田劉生の章だったからである。その絶対的な「美」への自信から、近代という拘束から免れることができた数少ない日本人の例として、福田和也が筆致を尽くすこの章はあまりに感動的だ。

ここではその紹介は措き、それについては改めて書くとして、岸田劉生をウィキで検索していたら、劉生の父の名は、岸田吟香(ぎんこう)だという。これも聞いたことのある名前だ。明治期のジャーナリスト。吟香は中国と薬業にも関係する人物とか。こう聞けば、星新一の父が阿片利権をもとに大正時代に隆盛をきわめた星製薬の創業者という話ともかぶってきて、なんだか関係がなくもなさそうな気もする。

ところで、苗字が同じことから前々から気になっていた劇作家の岸田國士(くにお)との繋がりがあるのかどうか調べてみたら、どうやら親戚でもないらしい。岸田國士の娘はご存知、女優・岸田今日子である。昨年、亡くなられたことを思い出す。
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by le-moraliste | 2007-06-08 08:34 | 雑誌