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by le-moraliste
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真夜中の青山ブックセンター六本木店/『拒否できない日本』

久方ぶりに早めに自宅に帰った土曜の夜(と云っても11時すぎていたが)、どこかへ車で出かけたいと思いそれも東京方面へとなんとなく考えていたら、「青山ブックセンター六本木店」のことを思い出した。家を出るのは深夜1時を過ぎるのでこの時間に空いている店と云えば、ここしか思い当たらない。初めは別になにか特定の店に行きたいというわけではなかったのだけれど(最初は港にでも船を見に行こうかと思っていたぐらいだった)、ともかく本屋に入りたいという云うに云われぬ瞬間的な動機もあった。青山ブックセンターが倒産(?)というニュースを知ってからは一度も行っていないし(前回入ったのは5年以上前だと思う)、最近湧いてきたデザイン系の興味からそういった本も欲しかったのだ。あそこなら、いい本を目にすることができるだろう。

というわけで、夜1時過ぎに出発。車の少ない下道をちょっと速度をだしながら(懐かしの上野入谷にちょっと立ち寄りつつ)、3時前に到着。どぎついネオンと溢れる外国人たちが見えだしたら、なつかしの六本木である。何重にもなって停めてあるタクシーにイラつきながら車をどこかに停めようとキョロキョロしてみれば、恐るべき文字を発見。昼間10分100円、夜15分200円というパーキングの掲示。夜の方が高いんかい・・・。他の車たちにならって、路駐することとあいなりました。

地図で(まだカーナビはついていない)青山ブックセンターの位置を確認していたので、結構遠いところに車を停めたのだけれど無事、それらしき本屋を見つけた。それらしき、というのは以前とは全く外観が違っていたのである。なんかガラス張りのお店になっていた(昔からなのだろうか、覚えていない)。表にはペーパーバックが置かれたラックがあっていくつかの洋書を眺めてから店内に侵入し、ようやく辿りついた青山ブックセンター。

お店に入ってすぐ左側にあるデザイン系の本からまず物色。ロシア・アヴァンギャルドの本があってすごく欲しかったけれど、とりあえずは別の棚に移動。WEB関係の本を丁寧に選別しながら雑誌棚で見つけたのが『en-taxi』の最新刊。驚いた。判型が大きくなっていたのである。しかも、9月末の発行ということだからだいぶ前にでていたようで、全く知らなかった私は唖然。

そうして次々に棚を眺めていって結局5冊の本・雑誌を購入。ここでしか見つけられない本(たぶんそういう本があるはず)を購入したわけではなく、それなりの本屋ならどこでも手に入りそうなものばかりだったのだが、それでもあの空間を味わえたこと、それだけで満足であった。定期的に寄るきっかけを作れたから。

話は遡って車を停めたところから本屋までの途中に、新たなビル群が建ちつつあるのに出会った。「Tokyo Midtown」。名前はアレだが、防衛庁庁舎跡地に設けられたそれらは、また東京の不気味な空間を形作るポイントとなるのだろう。とりあえず設計者の名前をメモして(日建設計・中村光男)外観を一瞥するだけで通り過ぎた。デジカメを持ってくればよかったと後悔しつつ(一応、建築屋の仲間だし)。あ、その前に新しいデジカメを買わないと。そうして、そんな充実した半日を過ごすことができた。帰宅は午前5時半。

          *              *              *

最後に最近読んだ本について。有名になりすぎて読む前に内容を知りすぎたために(こういうことは結構ある)読みそびれた、関岡英之『拒否できない日本』(文春新書)。発行からもう2年も経っているのだなぁと感慨にふけりつつ読み終えた。やっぱり書かれている内容は大雑把だけれど知っていたのだが、それでも冒頭の建築士の資格基準についての話は面白かった。

最も読みごたえがあったのは英米法と大陸法の違いについて。判例法としての英米法と、日本も採用している制定法としての大陸法と、その内実の差異は昔からの関心の対象だった。そのあたり、もっと深く勉強してみたい。

ところで、大学時代の先生がおっしゃってたことだが、関岡氏が保守反米グループに取り込まれている現状が、ちょっと心配である。
by le-moraliste | 2006-11-19 18:16 |