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by le-moraliste
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総選挙メモランダムⅠ

はしなくも始まった総選挙ロード。投票日当日まで、郵政関連法案否決の実相から選挙戦の様子まで順次追っていこうと思う。

①「新党」結成は?

造反組による現時点での新党結成は不可能のようだ。それにはいくつか理由がある。まず、改革の「抵抗勢力」のラベルを嫌うから。造反組の面々は自らこそ自民党だと考えている。また、新党結成では自民・民主の構図に埋もれてしまい、選挙後の立場も難しいものがある。自民と連立を組むのか――これは郵政法案に賛成しない限り不可能である。では民主とは――自分たちこそ自民党だと考えている以上、ありえない。ということはつまり、影響力を確保しようとすれば、小泉自民党に妥協せざるをえないのである。あるいは逆に小泉自民党に妥協を要求する方法も考えられるが、小泉純一郎の頑陋さからは期待薄である。

新党結成には他にも問題がある。参院の造反組に対して、衆院側がかなり「恨み」を持っていることだ。なかでも亀井派の軋轢は深刻。否決の決定的流れを作った参院亀井派会長の中曽根弘文が「衆院をしっかり応援する」と向けても衆院の亀井派会長代行を務める伊吹文明(郵政法案賛成)は「反対した人に応援なんてしてもらいたくない!」と反発している(『朝日新聞』8月10日付)。退会を申し出る前議員も現れ(水野賢一)、伊吹氏を中心とした新派閥の結成も視野に入ってきた。私が思うに、このような状況をこそ、小泉首相は解散で狙っていたのではないか。なお、旧橋本派は総意として新党結成に否定的。

私は、新党を結成すべきだと思う。小泉首相が自民党総裁である限りは彼ら造反組に自民党内での立場はないので、暫定的にでも新党を結成し、独自の政策を打ち出すべきだろう。それは必ずしも、将来、マイナスにはならないはずである。


②小泉首相の解散決定は妥当だったか?

この問いには意味がないと思われる。首相が解散を決めた以上、前議員たちは選挙で勝つために努力するしかない。その意味で、小林興起の悪あがきはみっともない。小泉改革に反対の立場で、いかに選挙戦を闘うか、頑張るしかあるまい。我々こそ自民党、と云っている場合ではない。


③民主党の天下り全面禁止は適切か?

昨日のTBSラジオ「アクセス」で、菅直人は道路公団からの天下りを受け入れた企業には事業を発注しないと明言。もしそのような法律が成立すれば、どうなるか。一般に官公庁の役人たちは、50歳過ぎで退職することが勧められている。彼らは少なくとも60歳までは働きたいだろう。だが、このような法律下ではこれまでの経験を活かして再就職することは困難である。素人の業種で働くことを強要するのは適切だとは思われない。

かかる法律を制定するのであれば、退職を遅らせる措置をとるか(それは民主党の政策に反する人件費増につながるが)、彼らのような立場にいる人たちの再就職先として、各種シンクタンクなどを設立するべきである。日本の政治には政策研究を専門とする民間・公のシンクタンクがほとんどないので、このような手段を使って彼らの専門的知識を利用することは政治にとって好ましいものだと思われる。
by le-moraliste | 2005-08-10 22:17 | 新聞・ニュース