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by le-moraliste
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丸山眞男の「日本ファシズム」論――筒井清忠『昭和期日本の構造』(講談社学術文庫)①

「ファシズム」とは何か――この問いに答えるためには、ふたつの方途がある。ひとつは理論。もうひとつはファシストたちの素描。しかし、今考えるに、従来日本のファシズムを語るにおいては「理論」が重要視され、「ファシスト」自身の思想はその「理論」の陰で沈黙させられることが多かったと思う。それは、丸山眞男のファシズム論が戦後日本で大きな好意をもって迎えられたことに影響がある。

だが、丸山のファシズム論が十分なファシスト(とされる人々)の研究に基づいていなかったことは今や明らかになっている。にもかかわらず丸山の理論が今日まで浸透し尽していることは、大東亜戦争をめぐる現在の議論に如実に現れている。ファシズムという理論が未だに一致した定義をもたず、それゆえ戦前から戦時の日本がファシズムであったかどうかを判断することは非常に困難であるのに、どうしてそんな議論が横行しているのか。その現実を忌々しく思うゆえに、丸山のファシズム論の誤謬を確認しておかなければならない。(そして最終的には、ファシズムとは何か、という問いを解決しなければならないだろう。)

繰り返すが、丸山の議論の最大の欠点は、日本のファシズムを指導した(とされる)人々の生の声を、おそらく恣意的に無視していることである。西洋の理論を道具にしたいあまり、丸山の云うファシズムとファシストたちの思想とが非論理的に乖離している。日本の旧体制については、ファシスト不在のファシズム論という本末転倒が堂々とまかり通っているのである。ファシストあってこそのファシズムであろう。そのことを、筒井清忠『昭和期日本の構造』(講談社学術文庫)をテキストにして明らかにしておきたい。

以下、後日
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by le-moraliste | 2005-07-23 03:58 |